スロットルワイヤーとはどういう部品か
スロットルワイヤーは別名スロットルケーブルと言われる左手側のスロットルの強さを電子制御機器に伝えるための部品です。
バイクをよく観察してみるとハンドルの右手側の付け根あたりからケーブルが伸びておりそれをずっと辿っていくとインジェクション部分に続いていることがわかります。
古い構造のバイクの場合インジェクションではなくキャブレターが使用されていましたので、クラシックバイクではキャブレターの開閉部としての役割をしています。
ざっくり説明をすると、バイクのエンジンは燃料となるガソリンが多く送り込まれるほど激しく燃焼が起こるので左手のスロットルを多く開くことでより多くのガソリンがエンジンに送り込まれて激しく動き、スピードが速まります。
逆にスロットルを緩めて完全に閉じてしまうとガソリンがエンジンに送られなくなるので電装部の回転によってのみエンジンの動きが機能するアイドリングの状態になります。
スロットルワイヤーは開く・閉じるの2本がつけられておりどちら側に動かすかによって素早く操作内容をインジェクションやキャブレターに伝えます。
基本的にスロットルワイヤーは頻繁に交換やメンテナンスをしなくてはいけないというようなものではないのですが、接触部が乾燥してくるとどうしても伝達が遅くなるので操作をしているときの加速や減速の遅れをしてしまうことになります。
接続部分に丁寧に注油していきます
スロットルワイヤーの注油をするときにはまずは二本のケーブルを外してそこにワイヤーグリスを注入していきます。
左手側にはクラッチワイヤーがありますが手順は基本的には一緒です。
ワイヤーの根元部分には先端部が膨らんだネジ状の部品があるので、つまんで引き伸ばすようにしてからワイヤーの中にグリスを注油するチューブを差し込んでグリスをたっぷり注入します。
グリスを入れたあとで軽く内部のワイヤーを前後させるようにするとワイヤー内部全体にオイルが行き渡るので動きが全体的に滑らかになります。
より本格的に行うならスロットルワイヤーの根本となるキャブレターやインジェクションを外して両側からオイルを注入するという方法がおすすめです。
このときあまり急激に大量にワイヤーへ注油してしまうとチューブ内から溢れ出てしまい他のパーツにまで干渉をしてしまうことになります。
スロットルワイヤーは鉄製のワイヤーの外側をゴムやシリコン製のチューブで取り囲んだ構造となっています。
長年乗用していないバイクなどは内部のオイルがすっかり乾いてしまい、スロットルを開閉したときに内部でワイヤーとチューブが摩擦を起こしてしまうことになります。