クラシックバイク愛好家の悩みであるキャブレター整備
時代とともに技術が大きく変化してきたバイクですが、中でもかなり大きな革新となったことの一つとして「キャブレターからインジェクション」があります。
「キャブ車」「インジェクション車」といった呼び方で区別をすることもありますが、クラシックバイクなど古い車の多くはキャブレター式のエンジンになっています。
まずキャブ車とインジェクション車の何が違うかというところから簡単に説明すると、エンジンルーム内にガソリンを供給するためのしくみとしてキャブレターとインジェクションのどちらを採用しているかということです。
昔ながらのキャブ車では、フューエルタンクからエンジン内にガソリンを供給するときキャブレターと呼ばれる霧化装置を通して送ります。
ざっくり言ってしまうとファブリーズやマジックリンの噴出口のような霧吹き装置のようなものです。
これが排ガス規制にともなう技術の向上により、原始的なキャブレターではなくコンピュータでガソリン供給を整備するインジェクションに仕様が変更されました。
現在では新車として販売されているバイク全てがインジェクション車になっているので、中古で古いバイクを購入するときにはキャブレター整備という非常に大きな手間がかかるということを理解しておくべきでしょう。
キャブレターのオーバーホールの方法
キャブレター清掃の一番面倒なところは、細かい部品が多く繊細な取扱をしなければならない点です。
キャブレターの場所は比較的わかりやすく部品の取り外しまでは比較的簡単にできるのですが、その後粗いたわしのようなものでガリガリとこすったりしてはいけません。
用意する製品としては「キャブレタークリーナー」といった名称で販売されている専用の洗剤を使い、細かいパーツ内に付属の細いスプレー管を使って流し込んでいくようにします。
取り外したキャブレターを細かく分解したあと、バッドなどの中にいれて専用洗剤を入れてしばらくつけ置きしておくと汚れは自然にとれ金属本来の輝きを取り戻していきます。
キャブレターのオーバーホールで最も苦労をするのが「ニードルバルブ」と言われる先端が尖ったバルブのことで、古いバイクで長年ガソリンが入れっぱなしになっていたような場合には油が酸化して内部に粘着してしまっていることがあります。
ニードルバルブの内部にはストレーナーというこし器のような網がついていますので内部も確認して詰まりがないかということをチェックします。
管部品が非常に多いのがキャブレターの特長なので慎重にそれらを分解し細かい部分まで汚れを落とすようにしていきましょう。
再び詰まりが起きないよう仕上げの拭き取りをするウエスも毛羽立ちのない手ぬぐいなどを使用してください。