セルモーターの不調には前兆症状があります
バイクを起動するときにはまずキーを差し込み、右手側ハンドル脇についているスタータースイッチを押します。
しかし長くバイクに乗っているとスタータースイッチを押したにもかかわらず、すぐにエンジンが起動しなくなるようなことが起こります。
バイクのエンジン起動のしくみは、スターターボタンを押すと内部の電装系から送られる電力によってスターターが動きその最初の回転によってエンジン内の発火プラグに衝突が起きて発火されます。
ですが長くバイクを使用しているとセルモーター部分に故障や摩耗が起こり、スタータースイッチを押しても正しくエンジンが回転しないということが起こります。
これから出かけようというときに突然エンジンがかからないというのは非常に困ったことですが、実際にはある日突然に全く動かなくなるということは少なく、ほとんどがそうなる前に前兆と思われる症状が起こります。
セルモーターの不調が起る前兆症状としては、スイッチを押したときにすぐにエンジンがかからず突然に「カッ!」といったように回転が止まる音がするということがあります。
最初は「あれ?」と思いつつ何度か繰り返すときちんとエンジンがかかるので、そのまま気にせず乗り続けてしまうことがよくあります。
しかしこれが連続して起るようになると、長期的には決定的な不具合につながるので何度か同じような状態が起こったら早めに対応することをおすすめします。
基本的には整備の必要はないのがセルモーター
セルモーターは基本的には故障が少なく、めったに不具合が起こらないパーツです。
しかしだからといって必ず不具合が起こらないというわけではありません。
上記のようなエンジンの掛かり具合の不調を感じ、かつバイクそのものが古い場合には一度セルモーター部分をオーバーホールしてみた方がよいかもしれません。
一般的にセルモーターの寿命は3~5年くらいとなっており、交換をする場合には工賃込みでだいたい10万円程度が必要になります。
古くなったセルモーターを取り出してみると、内部のグリスがすっかり酸化しており真っ黒にになっているということがほとんどです。
ですのでオーバーホールをする場合にはまず部品を細かく分解し古くなった脂分を落として新たなグリスをつけることで機能を復活させることができます。
パーツについた汚れは「パーツクリーナー」という専用の油落としを使うことで簡単に落とすことができます。
セルモーターの内部は他の部品と比較して単純な部品で構成されており、長いボルト2本とナット、ビスのみで分解できます。
きちんとエンジンの取扱説明書を見ながらやればそれほど難しいと感じることはありません。