ブレーキフルードの役目とは
ブレーキフルード(ブレーキオイル)とは、ブレーキハンドルとディスクブレーキ/ドラムブレーキまでつながっているチューブの内部にあり、ブレーキのために運転手がかけた操作を伝えるための役割をする液です。
まず簡単にバイクのブレーキのしくみについて説明しておくと、運転手がブレーキレバーを握るもしくはブレーキペダルを踏み込むと「マスターシリンダー」という内部のピストンがブレーキフルードに圧力をかけます。
密閉された状態にある気体や液体の一部に圧力が加わると、その圧力の増加分は同じ強さで流体全ての方向に伝わるというパスカルの原理に従い、シリンダーからかかった圧力はそのままブレーキパッドやブレーキキャリパーの圧力として伝わります。
内部に液体が入っていることにより、レバーやペタルからの圧力を末端により強い圧力として伝えることができるため、小さなブレーキ操作であっても高速のタイヤ回転にも負けないブレーキ効果につなげることができるのです。
しかしブレーキフルードはだいたい2年くらい使用していると老朽化し、伝える圧力が小さくなっていってしまいます。
ですので最近ブレーキを使用してもフニャッと今ひとつ力が伝わっている気がしないという感覚があったときには早めにブレーキフルードを交換するようにしましょう。
リザーブタンクを見ると交換時期がわかる
ブレーキフルードの状態をまずもっとも簡単に確認できるのが、ブレーキレバー付近にある「リザーブタンク」です。
リザーブタンクは小さな円筒形の部品で、覗き窓からブレーキフルードの色や分量を確認することができます。
交換をするときにはこのリザーブタンクについているネジをはずすとすぐにオイルが見えるので、新しいオイルはそちらから入れるようにします。
ブレーキ部分にはリザーブタンクからつながっているチューブの口の他に上側に「ブリードスクリュー」という廃液を受け止めるための出口が用意されています。
交換時にはまず廃液を受け止めるためのチューブと容器を用意しておき、ブリードスクリューにチューブをつないでからコックを開きます。
注意をしたいのが、エンジンオイル交換のように一度古い油を完全に抜いてから入れ直すのではなく、廃液を抜きつつ新しいオイルを入れていくというようにして交換作業を行うということです。
これはブレーキフルードに空気が混入すると圧力がかかりにくくなりブレーキの効きが悪くなってしまうからです。
少し廃液が抜かれたら上のリザーブタンクから新しいオイルを注ぐようにして丁寧に時間をかけて交換作業を行っていきます。
古いブレーキフルードがすべてなくなり新しいものと入れ替えが終わるとオイル全体の透明感が取り戻されますので再び空気が入らないようにキャップを閉じてブレーキの確認をしましょう。