走行中にバイクがエンストした時は?

バイクで遠出する

エンストの主な原因は燃料不足

走行中やアイドリング中に突然エンジンが止まってしまうことを「エンスト」と言います。
バイクや自動車のMT車の免許を持っている人なら実技講習中に操作ミスからエンジンが止まってしまう経験を一度はしたことがあると思います。

MT車の場合には発進時にクラッチを開きながらアクセルを踏み込むという独特の操作方法をとらないといけないことになっており、手順を間違うとそこでエンジンが止まってしまうことになります。
ですがMT車だけでなくAT車でも運転中に内部の不具合によって突然に起るエンストがあります。

そもそも「エンスト」とはどういうものかというと、これは「エンジンストール」の略称です。
よくエンジンが止まることから「エンジンストップ」の略と誤解されている人もいますがそうではありません。
「エンジンストール(engine stall)」とは、直訳すると「エンジンが行き詰まる・失速する」という意味となりエンジンが何らかの理由により正常に動かなくなることを示します。

MT車のクラッチの入れ間違いのような操作ミスをしたわけでないのに突然にエンジンが止まるエンストが起こった場合、その理由としてまず考えられるのはフューエルタンクからエンジンルームにまで供給されるガソリンの不具合です。

エンジンはフューエルタンクからインジェクションもしくはキャブレターを通してガソリンが供給されることで発火し動力として作用していくため、ガソリンの供給部分に何らかの不具合があるとエンジン内の燃料が不足しエンジンストールが起こります。

走行中にエンストしたらまずは冷静に

もし走行中に急にエンジンが止まってしまったら、まず冷静にスピードを緩めできるだけ安全な場所に移動するようにしましょう。
アイドリング中や徐行中にエンストが起ると惰性で走行することができませんので、まずはその場で下り路肩など安全な場所にバイクを引いて移動するようにします。

エンストは最初は突然起こっても再びエンジンをかけなおすとまるで何事もなかったかのように直るということがあります。
しかし仮にその場はなんとか直すことができても、一度突然のエンスト症状が起こっている車体の内部にはすでに何らかの問題が起こっていると予想できます。

エンストが起るケースは一通りではなく、それまで順調だったエンジンが突然スーッと止まる場合や、ガクガクと大きな振動をしてから止まる場合、スピードを上げようとしてアクセルを踏み込んだ瞬間に起るエンストなど様々なケースがあります。

これらは「点火系」「燃料系」「燃料センサー」のそれぞれの場所で起るトラブル事例です。
もし走行中にエンストしたらどのような状態から起こったかということをしっかり覚えておき、修理工場でその様子を伝えましょう。